2024.07.31活動レポート

育児の世代間ギャップ、どう向き合う?

イマドキの子育て&孫育てについてインタビュー

育児に正解はありませんが、時代とともに「主流」とされる育児も変化していきます。ベビーグッズはどんどん便利になり、新しいものが開発され進化しています。また、これまで正しいと思われていたことが実は根拠がなかった・間違いだったと分かることも少なくありません。
初孫が生まれたじぃじ・ばぁばは20~30年ぶりに赤ちゃんと向き合うこととなり、自身が子育てしていた時との変化に驚くのではないでしょうか。持っている情報の違いから、ママ・パパとじぃじ・ばぁばの間でコミュニケーションがうまくいかないこともあるようです。
赤ちゃんのいる暮らし研究所では、具体的にどのようなことについてギャップがあるのか?ママ・パパ・じぃじ・ばぁば それぞれにどのような気持ちがあるのか?ということを探るべく、アプリ会員さまへのアンケート調査、子ども・孫がいるアカチャンホンポの社員を対象としたアンケートとインタビューを行いました。

目次

インタビュー対象者
Aさん 60代・8歳の孫がいる 月に2回ほど会っている マタニティアドバイザー
Bさん 50代・0歳の孫がいる 家が近く、週に3回ほど会っている マタニティアドバイザー
Cさん 40代・3歳の子どもがいる 実母と月に1回以上の頻度で会っている
Dさん 30代・3歳の子どもがいる 実家・義実家ともに頻繁に会っている

※マタニティアドバイザー:アカチャンホンポの社内資格を持った、接客のスペシャリスト

こちらの記事で、マタニティアドバイザーについて詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。

(アカチャンホンポ公式アプリに移動します。※受付方法、実施状況は店舗により異なります。)

■世代間育児ギャップ解消のポイントはじぃじ・ばぁばの不安を取り除くこと

育児用品はどんどん進化しています。見たことがない育児用品に対して「こんなの使って大丈夫?」とじぃじ・ばぁばが心配になるのは自然なことかもしれません。そんな不安を持ったじぃじ・ばぁばがアカチャンホンポの店舗に来られた時の声かけについて、孫がいる社員に話を聞いてみました。

Aさん「「お母さまたちが子育てしていた時に、『こんなのあったらいいな』って思ったことないですか?」って言うと「あるある」って。「みんなそれ商品になってますよ。こういうの使ったらママがお子さんと触れ合える時間も増えて良いじゃないですか。」って言ったら「そうなの、じゃあ娘とかが言ってるのが良いのね。」って、納得してくれますよ。」

育児用品の変化を間近で見続けているアカチャンホンポ社員の視点で、じぃじ・ばぁばの気持ちに寄り添ったアドバイスを聞かせてもらいました。
世代間育児ギャップ解消のポイントは、じぃじ・ばぁばの不安を解消することにあるのではないでしょうか?具体的にどういったところに考えの違いがあるのか、見ていきましょう。

■今の育児と祖父母世代の育児にはどんな違いがあるの?

現役ママに、育児についてじぃじ・ばぁばとどんなギャップを感じるか、聞いてみました。

Cさん「母は、昔は「沐浴の後に水やオレンジジュース、果汁を飲ませる」など、自分がやってきた育児の知識を教えてくれた。「うつぶせ寝が良い」なども言っていた。
ネットで調べたり育児書を頼りにしたり、先に育児を経験している友達から聞いていることを伝えたら「今そうなん?!昔のことをおしつけたらあかんね」と言っていた。」

お母さま(ばぁば)が教えてくれた育児知識の中には、今は違うとされているものもありましたが、Cさん自身がネットや育児書で調べたり、周りの人から聞いたりしたことを伝えると、納得してもらえたそうです。
このように、客観的な根拠が伝えられるようなことについての考え方は、すり合わせをしやすいかもしれません。

お風呂上がりの水分補給については、こちらから助産師さんのアドバイスをご覧いただけます。

うつぶせ寝は窒息のリスクがあり、あおむけで寝かせるよりもSIDS(乳児突然死症候群)の発症率が高くなると言われています。うつぶせの練習をするときは大人が見守れる環境で行いましょう。

Dさん「妹が先に子どもを産んでいたのと、夫の姉も先に子どもを産んでいたのもあり、両祖父母とも育児のアップデートができていたと感じる。孫育て慣れしていたと思う。」

Dさんの子どもが両方の両親にとって二人目以降の孫だったためか、特にギャップを感じることはなかったそうです。子どもを育てながら育児知識を得て、経験を積んでいくというのはママ・パパもじぃじ・ばぁばも同じといえるかもしれませんね。

■母乳育児への価値観

ママ社員へのインタビューで、実のお母さまと考え方がすれ違い、つらい思いをしたという話も出ました。

Cさん「母乳はいっぱい出るがケアが大変なことがストレスで、ミルクでも栄養面の問題はないので母乳をやめたいと思っていた。やめる方向でクリニックに相談するつもりだったが、その話を母親にしたら「せっかく出るのにもったいない」と言われた。結論的には1歳まで母乳だった。赤ちゃんとの触れ合いもあって過ぎてみれば良い思い出だが、その時には苦しんだなということがある。
私にも頑張りたい気持ちはあったけど、頑張ることを正として言われてしまうと止めることが悪となり、他に選択肢がなくなりその時は追い詰められたししんどかった。」

ばぁばの立場の社員にも、母乳育児についての考えを聞いてみました。

Bさん「私が子どもを産んだ病院では、「絶対母乳」と言われ、「母乳を飲ませないなんて母じゃない」みたいな感じだった。病院からは「マッサージやおっぱいを吸わせるだけで出る」と言われたが、出なかった。義理のお母さんにも母乳が出ないことについて厳しく言われて。もう本当にちょっと地獄みたいな生活を自分が実際に送ったので、娘にはそういうことは言わないでおこうって、すごく思っている。」

母乳が出てもミルクで育てたい場合もありますし、母乳で育てたい気持ちがあっても必ず出るものではないため、周りの言葉に傷ついたり追い詰められたりした経験があるママは多いのではないのでしょうか。
Bさんは自身が子育てをしたときにつらい経験があり、ママの気持ちや選択を尊重し、最大限寄り添いたいという気持ちを感じますね。

昨年行ったアカチャンホンポ会員を対象としたアンケートで、0~5ヵ月の赤ちゃんがいるママのうち、混合も合わせると4人に3人がミルクを使用していることがわかりました。

お子さまの月齢別に見た授乳方法に関するアンケート結果のグラフ

母乳だけでなくミルクも選択肢に入れた上でママの体調や気持ちを優先し、家族はママの選択を応援してあげてくださいね。
先ほども紹介した記事に、母乳とミルクのそれぞれのメリット・デメリット、気を付けるべきことなどが記載されているので、あわせてチェックしてみてください。

■入園・職場復帰のタイミング

復職や、それに伴う保育所入園のタイミングについても、ママ・パパとじぃじ・ばぁばの間で意見がわかれてしまうことがあるようです。

Cさん「母は0歳から保育所に入れることに抵抗があった。「3,4歳じゃないの?」と言われた。「3歳くらいまでは少なくとも母親が面倒を見るべき」という考えが母にはあり、良かれと思ってアドバイスをくれたのだと思う。
私は、「かわいいな、成長が見られていいな」と思う気持ちがある一方しんどさもあり、自分を取り戻すためにも早く仕事に復帰したかった。本当はしんどい気持ちをもっと理解してほしいと思っていたが、意見がすり合わないまま申し込んだ。」

3歳未満のお子さまがいる家庭における夫婦共働き(ママに仕事がある)の割合も、ひと世代前では4人に1人程度でしたが、最近では5人に3人以上のママは仕事をしています。

厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」資料より、「母親に仕事がある」割合の変化

夫婦共働きの割合の増加にともない保育所の利用状況も大きく変化しました。0歳代から保育所に通うことも珍しくありません。

厚生労働省「保育サービスの需給・待機の状況」「保育所等関連状況取りまとめ」資料より保育所利用児童の割合の変化 1999年の数値から2022年では利用割合が大幅に増加している。

Cさんは、お母さま(ばぁば)に反対されつつも1歳から仕事に復帰。保育所に行き始めたお孫さんを見て、お母さまも保育所の良さを実感してくれたそうです。

Cさん「保育所については自分の意志で申し込んで1歳から入り、仕事もしている。母は娘を見て、「保育所良いなぁ!」と言っている。社会性は身に付くし、保育所で茶道や英語をやっている写真や、実際に目の前で娘が茶道の仕草をしているのを見て、「一人で家庭で育てていたらこんな風にはならへんで~保育所行かせてよかったなぁ!」と。」

社会性をはぐくんだり、おうちではなかなかできない経験ができたりすることなど、保育所に行くことのメリットを、ママ・パパの気持ちと一緒に伝えてみるというのも一つの方法かもしれません。
保育所やこども園を探す「保活」は、情報収集や園の見学などすることも多く、地域による違いもありますが、入りたいタイミングで入れないことも。探すだけでもひと苦労な保活を頑張るママ・パパを家族みんなでサポートできると良いですね。

いかがでしたか?
ママ・パパとじぃじ・ばぁばの間に生じるギャップは、それぞれにお子さま・お孫さまを大切に思う強い気持ちがあるからこそ。とはいえ、ママ・パパがつらい思いをするケースも多いことが分かりました。
意見がわれてしまっても、伝え方次第で円満に解決できることもあるのではないでしょうか?今回のレポートが、家族みんなでより楽しく育児ができるヒントになれば幸いです。

■「今の育児」どのくらい知ってる?育児クイズに挑戦♪

ママ・パパにとって一人目の子育てが「初めての子育て」であるのと同様に、じぃじ・ばぁばに初孫ができたとき、「初めての孫育て」になります。社会の環境も育児用品も大きく変化している中、たくさんの「初めて」に戸惑い、不安に思うことも多いということも見えてきました。不安を取り除く第一歩は、今の育児を「知ること」ではないでしょうか。
ゲーム感覚で楽しめる「育児クイズ」をご用意しました。育児に関わる全ての方に知っておいていただきたい内容なので、ぜひご家族で挑戦してみてください!

育児クイズの解説には、マタニティアドバイザーのコメントを掲載しています。
孫がいるマタニティアドバイザーに集まってもらい、社内・会員アンケートにて、祖父母世代と考えの違いがあったとあげられたテーマについての座談会を開催しました。じぃじ・ばぁばの立場への共感もありつつ、今の育児を知りつくしているマタニティアドバイザーならではのアドバイスをたくさん聞くことができたので、ぜひ解説までご覧ください!

社内アンケート
調査期間:2024年1月22日~31日
調査方法:インターネット調査
実施機関:赤ちゃんのいる暮らし研究所
対象者:子育て中の従業員27名
会員アンケート
調査期間:2024年4月22日~30日
調査方法:インターネット調査
実施機関:赤ちゃんのいる暮らし研究所
対象者:お子さまのいるアカチャンホンポアプリ会員1,116名
社内インタビュー
調査期間:2024年2月5日・6日
調査方法:ZOOMでのインタビュー
実施機関:赤ちゃんのいる暮らし研究所
対象者:子育て中の従業員2名・孫がいる従業員2名