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【助産師執筆】妊娠8週
初めて妊婦健診を受けられる方へ。
実際の健診内容と健診のタイミング

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妊娠3ヵ月は、妊娠8週~11週のことを言います。この時期の赤ちゃんは超音波検査では心拍がはっきり確認できます。脳や筋肉、神経系が発達してくるので、頭や手足が動くようになってきます。超音波検査では赤ちゃんが動く様子が確認できて、とっても可愛いですよ。
そして、ママも妊娠前は鶏卵くらいの大きさだった子宮がレモンくらいの大きさになってきます。 今回は母子健康手帳と妊婦健診についてお話ししていきます。

  • 母子健康手帳はもらったらすぐに記入
  • 元気に出産するためには妊婦健診が大切
  • 受診間隔・回数は妊娠週数により異なる
  • 妊婦健診では赤ちゃんの発育やママの体調を確認
  • 付き添い受診は親になるための心の準備のひとつ


母子健康手帳を活用しよう!

母子健康手帳とは

母子健康手帳は妊娠初期から乳児期までの健康の記録を行うための手帳です。

母子健康手帳をもらうステップ

  1. 病院で妊娠届をもらう
  2. 妊娠届を自治体の役所や保健センターに提出する
  3. 母子健康手帳の交付

母子健康手帳の記入をしよう

母子健康手帳は妊娠中、常に携帯しましょう。外出先で何かトラブルがあり、病院に行く際も診察時の参考になるためです。
母子手帳を受け取ったら、まずママとパパの基本情報を記入します。 緊急連絡先や職業、出産予定日についても記載していきます。その他、妊娠週数に応じて自由記載できるページも随時記入していきましょう。


妊婦健診ってどうして受けるの?

ママの身体の中では小さな命を育て、出産に向けて大きく変化していきます。妊娠中はいつ、何が起こるか分からないので定期的に妊婦健診を受けていつも以上に体調管理に気を配る必要があります。

受診スケジュール※1,2,3

妊婦健診の時期と回数、行う検査の一覧表

妊婦健診の内容は毎回行う検査と、特定の週数にのみ行われる検査の2つがあります。


妊婦健診で毎回行う検査

問診 診察の最初と最後に医師より説明を受けたり、不安なことを相談しましょう。
血圧測定 妊娠中は妊娠高血圧症候群になる可能性があります。高血圧は自覚症状が出にくいので早期発見のため、毎回計測します。
体重測定 妊娠前の体重と比較して急激な減少や増加がないか確認していきます。
腹囲計測 お腹周りの大きさを計測し、赤ちゃんの成長や子宮の大きさを確認していきます。現在はその他の検査で詳しく分かるため行わない病院も多いです。
子宮底長 恥骨から子宮の上までの長さを計測します。赤ちゃんの成長や子宮の大きさを確認していきます。

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浮腫 脚のすねの部分を押してむくみの確認を行います。
尿検査(尿糖/尿蛋白) 尿糖は妊娠糖尿病を、尿蛋白は妊娠高血圧症候群を早期発見するための手がかりになります。
超音波検査 赤ちゃんの成長や性別、羊水の量、胎盤の位置等を確認していきます。赤ちゃんの体勢によっては4Dエコーでお顔が綺麗に見えますよ。
保健指導 看護師や助産師が妊娠週数に応じて必要な説明を個別に行います。赤ちゃんの成長やママの体調はもちろん、夫婦や家族関係についてや経済面での相談もできます。

妊婦健診で週数に応じて行う検査

血液検査
●血液型(ABO血液型、Rh血液型)
緊急時の輸血に備えABO式とRh式で検査します。
●不規則抗体
ママの血液中に赤血球を壊す抗体がないか検査します。抗体があると、赤ちゃんが貧血になったり、黄疸が強く出る可能性があります。
●貧血
妊娠すると貧血になりやすいため、妊娠中2~3回検査を行います。
●血糖
妊娠糖尿病の早期発見のため、妊娠初期と中期に検査します。
●B型肝炎抗原/C型肝炎抗体/HIV抗体
B型肝炎、C型肝炎、HIVウイルスに感染していないか確認します。分娩時に赤ちゃんに感染することを予防します。
●梅毒血清反応
性感染症の1つで、流産や先天性梅毒を引き起こす可能性もあります。
●風疹ウイルス抗体
風疹に対する免疫を検査します。抗体価が16以下の場合は感染しやすいので注意しましょう。
●HTLV-1抗体検査
成人T細胞白血病のウイルスの有無を確認します。ママが感染している場合、母乳を介して感染する可能性があるため注意が必要です。
●トキソプラズマ
ママが妊娠中にトキソプラズマに初感染すると、赤ちゃんも感染する可能性があり、注意が必要です。
子宮頸部細胞検査
●子宮頸がん健診
子宮頸部を綿棒で擦り、子宮頸がんの有無を調べます。
膣分泌物検査
●性器クラミジア
早産のリスクや分娩時に赤ちゃんに感染する可能性があるので、治療を行います。
●B群溶血性レンサ球菌
常在菌の1つで普段は治療の必要はありませんが、出産時に産道を通過した赤ちゃんに感染すると肺炎や敗血症を引き起こす可能性があるため検査を行います。
●カンジダ膣炎
常在菌の1つで、妊娠中は免疫力低下しやすいためカンジダを発症しやすいです。外陰部の痒みや豆腐のかすのようなおりものが出るのが特徴です。出産時に赤ちゃんへの感染も心配なので治療が必要です。
内診 子宮口の柔らかさや開き具合を確認します。
NST(ノンストレステスト) 妊娠後期に赤ちゃんの元気度やお腹の張り具合を確認する検査。
骨盤X線検査(必要時) ママの骨盤よりも、赤ちゃんの頭が大きいことが予測される場合に骨盤のレントゲン写真を撮ります。

妊婦健診に家族の付き添いは必要?

妊婦健診時に家族の付き添いは必須ではありませんが、赤ちゃんの成長や自分の体調や体型の変化から母性を高めやすい女性と比較し、男性は実感が湧きにくいとされています。そのため、父性は後天的に育まれていくんですね。ですので、妊娠中から一緒に親になる準備ができると良いですね。

親になる準備として、妊婦健診に一緒に行き、赤ちゃんの様子を見たり、助産師からの保健指導を一緒に聞くのがお勧めです。妊婦健診に付き添えなくても大丈夫。健診時のエコーを携帯の写真や動画で撮影し、一緒に見たり、医師や助産師から受けた説明を伝えたり、妊娠・出産に関係する動画や本を一緒に読むのもお勧めです。

その他にもお腹に触ってみたり、胎動を感じてみたり、赤ちゃんに話しかけたりと家族でのコミュニケーションの時間を大切に過ごせると良いですね。

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いかがでしたか?妊婦健診はママと赤ちゃんが健やかに妊娠生活を送る上で欠かせない大切な健診です。病院の医師や助産師はママと赤ちゃんのために、できる限りのサポートをしたいと思っています。不安なことや分からないことは是非かかりつけの病院に聞いてくださいね。

また、気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 母子健康手帳について,厚生労働省,2022/3/4閲覧,
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/kenkou-04.html

※2 妊婦健診Q&A,厚生労働省,2022/3/4閲覧
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken13/dl/02.pdf

※3 杉本充弘,最新!初めての妊娠・出産新百科mini,ベネッセコーポレーション,2021

※4 株式会社ベビーカレンダー,あんしん、やさしい最新妊娠・出産オールガイド,新星出版社,2021


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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