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【助産師執筆】妊娠16週
マタニティウェアは必要?
ポイントをおさえて妊娠中もオシャレに過ごそう!!

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妊娠16週に入りましたね。妊娠16週0日から妊娠19週6日までが妊娠5ヵ月になります。子宮の大きさは子どもの頭ほどの大きさに成長しました。赤ちゃんの身長は20㎝、体重は120gほどでオレンジ1個ほどの大きさになります。体つきもしっかりしてきて、身体的な性別も分かり始める頃ですね。
また、赤ちゃんは触覚や聴覚といった感覚機能が発達して、指しゃぶりをしたり外の音が聞こえるようになってきます。呼吸の練習でしゃっくりをしたり、外で生活する準備をしはじめます。徐々に胎動が活発になるため、今まで気づかなかった方も次第に胎動が分かるようになります。
おなかが大きくなってきたら気になるのがマタニティウェア。いつから準備したら良いのか、そもそも必要なのか。今回はそんなマタニティウェアについて、選び方や注意点を解説していきます。服装に悩んでいる妊婦さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね!

  • 妊娠初期からマタニティウェアを取り入れよう。
  • マタニティウェアは快適さと産後も使えるアイテムを選ぼう。
  • マタニティ期の靴選びは安定感と履きやすさが重要。
  • 日本の風習、戌の日・腹帯について。


マタニティウェアはいつから着るのがいいの?

マタニティウェアはおなかの大きい時期に着るイメージがありますが、妊娠初期から取り入れることをお勧めします。妊娠初期は、見た目の変化はあまりないように感じますが、体の中では様々な変化が起きています。妊娠後期のようなおなかの大きさはありませんが、ホルモンバランスが大きく変化し、皮下脂肪が増えて、便秘やむくみなどのマイナートラブルが起きやすくなります。
またつわりで締め付けや肌触りに敏感になる人もいます。妊娠中はストレスを極力抱え込まないためにも、締め付けの強い服は避けましょう。それはマタニティインナーにも共通して言えます。なるべく締め付けがなく、気持ちの良い質感、敏感な肌にも優しい素材を選ぶようにしましょう。
マタニティ用のインナーは子宮を冷やさないように、おなかまで覆うデザインのものも多いです。マタニティウェアに少し抵抗のある方は、インナーから変えていくのが良いかもしれませんね。


妊娠期別!マタニティウェアの選び方

●妊娠初期

妊娠初期は上記でもお伝えしたように、つわりなどで体調が優れない時期です。体の締め付けは最小限を心がけ、天然素材など肌に優しいものを選択しましょう。
つわりの時期は気分も落ち込みます。最近のマタニティウェアはおしゃれで機能的なものもたくさんありますので、気分を上げるために新しく購入するのも良いですね。

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●妊娠中期・後期

おなかも前にせり出してくる時期です。今まで着ていたトップスは丈が短くなり、お洋服に悩むことも多いかもしれませんね。体型の変化はおなかだけではなく、骨盤周囲も子宮を守るために皮下脂肪が増えて、お尻の丸みも増してきます。快適さもオシャレさも求めるなら、マタニティウェアは必須なアイテムになってきます。
妊娠中でもシルエットをスッキリ見せたいなら、普通のオーバーサイズの服よりも切り替えデザインのワンピースを着たり、マタニティ用にラインを調整したボトムを選んだりするのがおすすめです。

全体的な選び方のポイント

マタニティウェアについておすすめしてきましたが、体に負担のかからない素材で、長く活用できるものをポイントに選びましょう。産後すぐに体型が戻ると思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。※1
10ヵ月間赤ちゃんを守り育てるために、皮下脂肪が増えたり、筋力も低下したりします。またお産では内側からのダメージが大きく、締め付けや授乳のしにくい服は避けたいところです。産後も使用できることを前提にマタニティウェアを選択すると良いでしょう。

その他のポイント

  • ゆったりとして、伸縮性があり、動きやすいものを選ぶ
  • 吸湿性・通気性の良いものを選ぶ
  • 重ね着ができる服を選ぶ
  • 転倒のリスクがある飾りが多い服や丈の長い服は避ける
    • など…

着やすさはもちろんのこと、安全に快適に過ごせる服装選びを心がけましょう。


妊娠中は靴選びも重要!

妊娠中期以降は特に、おなかの膨らみや体重の増加により、歩幅や立った時の重心の変化などが見られます。さらに、妊娠に伴うホルモンの変化で、骨盤や腹部の靭帯が緩むことによって安定しないことが増え、転倒のリスクも高くなります。
足底が安定しないことにより腰痛や肩こりなどのトラブルに繋がるので、靴選びは慎重に行う必要があります。※2
ここでは、マタニティ用の靴選びのポイントをまとめました。

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安定感や履きやすさを重視しよう

妊婦さんはバランスが悪かったりお腹が前に出て足元が見えにくく、つまずいたり転倒しやすいです。安定感を重視して、ヒールの高さは3㎝程度までのフラットなシューズやスニーカーを選ぶようにしましょう。
妊娠中は足がむくみやすくもなるので、脱ぎ履きしやすいものを選ぶようにしましょう。また自分に合った靴が見つからない場合にはオーダーメイドのインソールなどもありますので参考にしてみてください。

産後も意識して選ぼう

こちらもマタニティウェアを選ぶ時と同じで、産後も使えるアイテムを選ぶことがおすすめです。赤ちゃんが生まれた後には、抱っこ紐で移動する機会が増えます。
抱っこの時は安定感のある靴が重宝しますし、疲れの軽減にも繋がります。産後に使える靴かどうかもイメージして選ぶと良いですね。

オシャレしたい時はここをおさえよう

パンプスを履く時は、ピンヒールやヒールが高いものは避けた方が良いです。ヒールを履きたい場合は、ヒール部分が太めの、ローヒールを選びましょう。
ビジューや華やかな飾りのあるデザインで、おしゃれを楽しむことも出来ます。


戌の日・腹帯について

妊娠中に身につけるものには、他にも「腹帯」があります。ここでみなさんに知って欲しい関連する日本の文化として、戌の日と帯祝いがあります。
犬は子どもをたくさん産むため安産の象徴とされています。そのため、日本では古くから妊娠5ヵ月の戌の日に神社やお寺にお参りし、安産祈願を行う風習があります。更に、“さらし腹帯”を巻いて「帯祝い」をする風習もあります。※3
もともとは皇室や武家が行っていた儀式で、一般的になったのは江戸時代からと言われています。そこから数えると500年以上もこの風習は続いているということですね。※4
必ず戌の日に行かなければならないと思っている妊婦さんも多いですが、戌の日の神社仏閣は混雑している事が多いので、ご自身の体調と相談して無理のない範囲で安産祈願をするようにしましょう。


腹帯の巻き方

最後に、実際に腹帯を巻いてみましょう!

  1. さらしを広げ、縦長になるように2つに折ります。

  2. 半分の幅に折ったさらしを、端から丸めます。

  3. 巻いたさらしの輪(折り目の部分)が下になるように持ち、さらしの端をおへその下に当てて、巻き始めます。

  4. さらしが1周したら、さらしの端を抑えるように上から重ねて、2周目をまきます。このときに、さらしの端の下の部分を上に折り返して、さらしの中に巻き込んでおきましょう。

  5. 体の中央、もしくは脇側のどちらかやりやすい方で、さらしを上の方向へ折り曲げ、そのまま2周目、3周目と繰り返し巻いていきます。

  6. 重ねて巻いていき最後まで巻けたら、巻き終わりの端を留めるように、中へ折り込みます。この際、安全ピンを使用することもよいですが、誤って皮膚を刺さないように十分に注意してください。

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最近のマタニティウェアはオシャレなものがたくさんあります。
今持っている洋服も活用しながら産後も長く使えるものを選び、必要な枚数だけそろえて安全で快適な妊娠期を過ごしていきましょう。また、古くから日本に伝わる文化も知ることで、お腹にいる赤ちゃんをより身近に感じると良いですね。

気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 寅嶋静香,産後女性の身体状況把握及び産後運動ケア実践の提案-460人のアンケート調査及び健康運動指導実践のケーススタディから-,2011

※2 マタニティインソールの開発とその効果,日本靴医学会靴の医学Volume18No.2,2004

※3 安産の神様“水天宮”における「助産師OBiの会」の活動—さらし腹帯体験チャレンジ,助産雑誌 73巻6号,2019

※4 現代における『安産祈願(帯祝い)』の常識とは? 2年以内に妊娠・出産を経験した約870人に実態調査,日刊工業新聞,2022


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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