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【助産師執筆】妊娠33週
お産の時に、医師や助産師にあなたの
こだわりを伝えるバースプランをつくろう


妊娠33週に入りましたね。今回も赤ちゃんとママの様子を見ていきましょう。この時期の赤ちゃんの体重は1500~2500gで小玉のすいか1個分くらいです。皮下脂肪もついて、ふっくら赤ちゃんらしくなってきます。
一方でぽっちゃりめの子と細めの子との個人差が大きくなる時期でもあります。また髪の毛や爪も伸びてきます。ママは子宮が大きくなり、腰や足の付け根に痛みを感じることが増えてきます。無理のない姿勢や動作を心がけると良いですね。
そして出産に向けての準備もそろそろ大詰めです。入院や育児用品の準備はもちろん、どんなお産をしたいのか考えることも大切です。今回はバースプランについて一緒に考えてみましょう。※1,2,3

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  • バースプランはお産の計画書
  • 自分だけのバースプランを作ろう
  • パートナーとお産について話すことが大切
  • 完成したら医師や助産師に相談しよう
  • バースプラン通りに行かないことがあることも、覚えておこう


バースプランって何?

バースプランはお産のための計画です。どのようなお産を望んでいるのか、計画を立てることです。お産だけでなく、入院中どのように過ごしたいか、希望する授乳方法などの考えをまとめて医師や助産師と事前に話し合っておきましょう。
バースプランは1人で考えるのではなく、パートナーと話し合うことも大切です。お産についてのイメージを膨らませることもできますし、お互いの考え方を知り、イメージのズレを少なくする事でお産に向けての心の準備をすることができ、家族みんなが後悔のないお産ができるようになります。
そしてバースプランがあることで、妊婦さんと家族、お産に関わる人を繋ぐ架け橋になり、希望通りのお産をするために役立ちます。


自分だけのバースプランを立てよう!

バースプランはいつ立てる?

バースプランは病院によって妊婦健診の際に記載する用紙が配布されることもあれば、自分で準備することもあります。提出する時期も様々で、お産で入院する時に持参する場合もあれば、妊娠中の健診時に事前に提出する場合もあります。特に既定の用紙がない場合は手紙を書くイメージでご自身の希望する内容を便箋にまとめて提出すると良いですね。
そして、施設によって希望する内容を実現するのが難しいこともあるので早めに家族で話し合って、37週までに医師や助産師に相談するのがおすすめです。
バースプランを書き始める時期に早すぎるということはありません。妊娠中にいいな、気になるなと思ったことがあったら、メモしておきましょう。

何から始めたらいいの?

出産する場所を選ぶことも、バースプランのひとつです。多くの方が妊娠初期にお産する施設を決めますね。どんなお産方法があるのか調べたり、施設の違いについて知り、お産のイメージを膨らませましょう。パートナーにも立ち合い出産がしたいか聞いてみると良いですね。
妊娠中期から後期には、より具体的に考えていきましょう。バースプランは具体的に書くと他の人と内容を共有しやすいですが、何を書いて良いか分からない時もあります。
そんな時はお産のイメージやどんな気持ちで赤ちゃんに会いたいかをまず書いてみましょう。そんな風に、バースプランにはあなたの気持ちを書いても良いでしょう。そこから医師や助産師にアドバイスをもらい、具体的に考えていくこともできます。その他、みんながどんな希望を書いているのかネットやSNSでも検索できますので参考にしてみるのもよいですね。

みんなどんなことを書いているの?

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●陣痛中

・立ち会い出産をしたい(パートナー/親/兄弟/子ども)
・立ち会ってほしくない人が入ってこないように断ってほしい
・アロマを焚きたい
・好きな音楽を流したい
・お産の進み具合を説明してほしい
・出来る限り自然な陣痛で出産したい
・1人で落ち着いて過ごしたい
・陣痛中から出産まで同じ部屋で出産したい
・個室が良い
・自由な体勢で出産したい
・呼吸の仕方を教えてほしい
・夫にサポート方法を教えてほしい
・マッサージをしてほしい

●出産時~出産直後

・出産後すぐに母乳を吸わせたい
・家族で写真を撮りたい
・産声を録音したい
・赤ちゃんを抱っこしたい
・カンガルーケアをしたい
・へその緒を切りたい
・産まれてくるところを見たい
・胎盤を見たい
・会陰切開したくない
・会陰切開する時は教えてほしい/教えてほしくない

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●帝王切開の場合

・立ち会い出産が可能なら立ち会いをしてもらいたいか
・手術中に好きな音楽を流してほしい
・傷の切り方を選びたい
・赤ちゃんが産まれる瞬間を教えてほしい
・産まれたての赤ちゃんの写真を撮ってほしい
・産まれたての赤ちゃんと握手したい
・手術後の痛み止めを積極的に使ってほしい
・母子同室は傷の痛みの程度でいつにするか相談したい
・手術の傷をできるだけ綺麗に治す方法を教えてほしい

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●入院中

・なるべく早く母子同室をしたい
・産後は個室で過ごしたい
・希望する授乳方法(完全母乳/完全ミルク/混合栄養)
・早めに退院したい
・延泊したい
・母乳のマッサージを受けたい
・身体が辛い時は夜間新生児室で預かってほしい


パートナーと話してみよう

イメージがまとまってきたらパートナーと話してみましょう。まとまる前から話し合うのもいいですね。まずは出産のイメージや出産に立ち会いたいか、すぐに赤ちゃんを抱っこしたいかなど聞いてみましょう。
そして自分の考えたバースプランを伝えたり、迷っている部分があれば相談してみると良いですね。パートナーの気持ちや希望も書き足してみて下さい。サポートしてほしい事、してほしくない事があれば、事前に伝えておくと良いですね。


完成したら医師や助産師と相談しよう

バースプランが決まったら、医師や助産師に相談してみましょう。それぞれに施設の決まりがあり、実現できないものもあるかもしれません。また、どうしたら実現できるのか、準備が必要なのか、相談することでより具体的にお産のイメージを持つことが出来ます。

いかがでしたか?お産に向けての心の準備はとても大切です。それはママだけでなくパートナーも同じです。準備する中で不安になることがあれば、いつでもかかりつけの病院の医師や助産師に相談してみて下さいね。
お産自体は何度か経験することもありますが、今お腹の中にいる赤ちゃんを産むのは一度きりです。不安はゼロにはならないかもしれませんが、楽しむ気持ちも大切にしてみて下さい。

また、気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。


参考文献

※1 胎児計測と胎児発育曲線について ,日本産科婦人科学会周産期委員会,2022/5/22閲覧,
https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/PUB/ninken/jsog_20111024.pdf

※2 株式会社ベビーカレンダー,最新妊娠・出産オールガイド,新星出版社,2021

※3 荻田和秀,最新改訂版らくらくあんしん妊娠・出産,学研プラス,2021


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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